年少扶養親族と住民税

そろそろ年末調整の準備を始める会社様も多いかと思います。
今回は扶養控除等申告書の下欄にある「住民税に関する事項」について取り上げました。
 
扶養控除等申告書の「住民税に関する事項」には年少扶養親族を記載することになっています。年少扶養親族とは16歳未満の扶養親族のことであり、所得税および住民税の計算上、扶養控除の対象にすることができません。そのため年少扶養親族は控除対象扶養親族の欄には記載できないのですが、住民税の非課税制度の判定に必要となるため、「住民税に関する事項」の欄に記載し申告することになります。
 
あくまで非課税制度の判定(住民税が課税されるか、非課税となるか)のため必要なのであり、住民税の課税の対象となる課税所得の算定には関係がありません。
 
住民税の非課税制度は、扶養人数により非課税枠を計算しますが、扶養控除の対象とならない年少扶養親族もこの非課税枠の計算では対象となります。住民税は、この非課税枠を超える所得金額であった場合に一律10%課税され、非課税枠内であれば全額非課税となるのです。
 
さて、夫婦共働き世帯でお子さんがいる場合、「住民税に関する事項」は旦那様側が記入しますか?奥様側が記入しますか?
 
多くの場合、収入が高い旦那様側がお子さんを扶養として記入しているのではないでしょうか。
しかしながら住民税の非課税枠を考慮すると、収入が低い奥様側が記入した方が節税になるケースがあります。
 
千葉県柏市を例に挙げると、前年中の合計所得金額が次の算式で求めた金額以下になる場合、住民税(均等割)がかかりません。
 
31万5千円×(本人と控除対象配偶者、扶養親族の合計人数)
    ※扶養親族等がいる場合は、上記の金額に18万9千円が加算
 
給与収入500万円の夫と130万円の妻のケースでは、年少扶養親族1人を夫の扶養として非課税枠を計算しても非課税に該当することはありませんが、妻側の扶養にすることによって妻は非課税となるのです。
 
同一世帯内で子どもを誰の扶養にするかに関しては、夫の勤務先での家族手当等や子どもの保育料に影響する場合も考えられますので、ご注意のうえ年少扶養親族の申告について検討されてみるのもよいかもしれません。
 
(参考:柏市オフィシャルウェブサイト)