ふるさと納税のひずみ
立冬を迎え朝晩の冷え込みが本格化してきましたね。
季節の変わり目、体調崩されませんようくれぐれもお気を付けください。
さて、今回は昨今ブームにもなっている地方への寄附金、「ふるさと納税」を取り上げました。
2015年度からは確定申告しない方法も選べるようになった「ふるさと納税」。
寄附のお礼としてお米やお肉、魚介、果物、お酒など地元の特産品を用意する自治体が多く、
お得で手軽にできる寄附として人気が高まっています。
簡単におさらいしますと「ふるさと納税」とは、居住地とは別の自治体に寄附をすると、寄附額
から2,000円を差し引いた全額(限度額があります。)が住民税と所得税から減税される制度で、
地方の活性化を目的に2008年から始まりました。
寄附をするとお礼の品がもらえて、税金が控除され、寄附をした地域を応援できるという嬉しい
ふるさと納税ですが、一方で見直しの動きもでています。
~豪華すぎる返礼品~
総務省は、商品券やパソコンなどお金に換えやすいものや豪華すぎるものをお礼としてあまり送ら
ないよう全国の自治体に通知しました。
豪華な返礼品を競う自治体が相次ぎ、せっかくの寄附金にもかかわらず、住民サービスに回るはずの
財源が目減りするといったひずみが広がったためです。
~収入減となる自治体~
ふるさと納税によりうるおう自治体がある一方、ふるさと納税を使って寄附する住民が住む自治体は、
寄附をすると居住地の個人住民税が軽減されるため、その分税収が減ることとなってしまいます。
ふるさと納税をする金額が多い都道府県第一位は東京都。
世田谷区などでは、税収の流出が看過できないレベルになってきた、と危機感を募らせています。
「ふるさと納税」は、住民サービスを充実させ人口が増加した自治体があるなど、地域活性化に
つながっていることも確かです。
制度本来の意義が見直され、ふるさと納税による寄附金が有意義に活用されるよう望まれますね。