タワーマンションの固定資産税
マンションの高層階の部屋は取引価格が高いわりに税金が安く、富裕層の間では
いわゆる「タワーマンション節税」として購入する動きが広がっていました。
「タワーマンション節税」とは、高層階の部屋を買えば、現金のまま相続するよりも
相続税の金額が抑えやすく、固定資産税も取引価格の割に安くすむことから
タワーマンションの高層階住戸を購入して賃貸する、といった節税対策です。
このような物件の固定資産税や相続税の算定基準となる「固定資産税評価額」は、
マンション1棟の評価額を部屋ごとの床面積で案分して計算しているため、階層に
よる差はなく、同じ面積であれば最上階と1階が同じ評価額となります。
そのため、販売価格が大きく異なる高層階、中層階、低層階が同じ固定資産税を
負担することについて不公平という指摘がかねてよりありました。
この状況に対し菅官房長官は10月24日の記者会見で「課税の適正化の観点から実際の
取引価格を踏まえた固定資産税の按分方法を検討する」と述べ、12月にまとめる
与党税制大綱にタワーマンションの固定資産税見直しについて盛り込むことを目指す
見通しです。
検討されている仕組みは、20階建て以上の高層マンションの中層階は現行制度と同じ
評価額、中層階よりも高層の階では段階的に引き上げ、低層の階では段階的引き下げる
というものです。
新しい税制の対象は2018年以降に引き渡す新築物件に限定し、既存の物件は現行の
税制を適用することになるようです。
マンションの高層階は眺望がよくまだまだ人気物件ですが、最近は急病時の対応や
子どもの「高所平気症」が話題になるなど、問題視される一面もありますね。
今回の固定資産税見直しが実現されれば、さらにタワーマンションへの見方が
変わってくるかもしれませんね。