年末調整と納税意識

12月も中旬となり今年も残すところ半月となりました。
会計事務所では年末調整業務が始まり、確定申告まで続く繁忙期のスタートとなります。
今回は、会社様側でも現在準備が進められているであろう年末調整と納税意識について取り上げ

ました。

年末調整とは、1年間に源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税の合計額と1年間に納めるべき

所得税及び復興特別所得税額を一致させるために行われる手続きをいいます。

その年1年間に給与から源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税の合計額は、必ずしもその人が

1年間に納めるべき税額とはならないため、このような手続きが行われます。
ところで、この年末調整は日本独自の制度であり諸外国では行われていない、といった話を耳にした

ことはありませんか?

実際のところ、日本の年末調整はドイツの制度をもとに昭和22年(1947年)から導入されたもので、

日本だけで行われている独自の制度というわけではありません。少数派ではありますが年末調整を

採用している国は日本以外にもいくつかあります。

 

年末調整により、大部分の給与所得者は、必要な書類等を提出すれば勤務先で年末調整が行われ、

所得税及び復興特別所得税額の精算が完了するため、確定申告をする必要がなくなります。給与所得

や税務署にとっては手間が掛からず大変便利な仕組みです。(会社では煩雑な作業となりますが・・)

 

しかしながらアメリカ、フランスなどその他多くの国では年末調整の制度はなく、確定申告を行うことが

前提となっています。
その理由の一つには、納税意識を高める狙いがあると言われています。

 

前述のとおり日本では個人の代わりに会社が税額の計算をして、納付まで行ってくれるため、納税に

対する意識が低下してしまうのも無理ありません。

 

とはいえ、せっかく納めている税金ですから自身がいくら納税し、その税金がどのように活用されている

かを知らないでいるのはもったいないことかもしれません。

先ずは、今年の年末調整後に配付される源泉徴収票に目を向け、ご自身の所得税の年税額を確認して

みてはどうでしょうか。源泉徴収票の右上「源泉徴収額」欄の金額がその年の年税額です。

 

他に収入がある方、控除の対象となる医療費の支払いや寄付等がある方は、この後確定申告を行って

ください。