相続税免除~過疎地の個人診療所承継

今年は各地で記録的な長雨と低温という、夏らしくない少し残念な夏でしたね。

このまま夏は終わってしまうのでしょうか…

 

 

昨今、医師の都市部への偏りにより過疎地での医師不足が深刻化しているという話を耳にします。

こうした地域では医師の高齢化により、次世代への事業承継が課題となっていますが、過疎地の医療機関を親族の医師が相続しようとしても診療所の病院や土地・建物を含めて多額の相続税が課税されるため、やむなく廃業するケースも少なくないそうです。

 

そこで厚生労働省は、過疎地などで診療所や病院を相続した後継者の医師が安定的に運営を続けられるよう、医療業務に必要な土地・建物などにかかる相続税を免除する方針を固めました。

 

減免措置の対象は個人が開設する診療所・病院で、都道府県知事が地域の医療機能の維持に必要と認めたものであり、診療所・病院を5年間継承して運営することを要件に、相続する資産額のうち土地、建物、医療機器など「医療に必要な資産額」に相当する相続税を納税猶予とし、次世代に承継すれば免除するというもの。

 

現行の税制では、医療法人にかかる相続税・贈与税の減免はありますが、個人開設の医療機関の承継にかかる軽減税制は整備が進んでおらず、今回の医業承継にかかる相続税の免除は中小企業の事業承継による相続税・贈与税の猶予・免除の制度を参考に厚生労働省が要望したものだそうです。

 

この内容は2018年度税制改正要望に盛り込まれます。